今日は、インドはケララ州の古典舞踊であるカタカリを観にいってきました。
サンスクリット語でカタは物語、カリは劇を表すカタカリ。
正直、ケララ州に来るまで耳にしたことのなかった舞踊ですが、実は日本の歌舞伎との類似点もあり、また歌舞伎同様、世界三大化粧劇の一つに入っているそうです。
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このカルチャーセンターはカタカリのみならず、ヨガや瞑想、音楽演奏、またマーシャルアーツなども行っているそうです。
ちなみに歌舞伎との類似点は、劇中セリフはなく、指や目の動きで全てを表現することが挙げられます。
さて、ショーは18時からスタートですが、17時からの1時間はメイクアップを見ることが出来ます。
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私たちは16時57分頃到着しましたが、客席にはもうすでに何人か席についていました。
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写真手前に座っている男性は、いわばメイクアップアーティスト。
今は、顔に塗る染料を作成中。
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メイクより、2人の恰幅の良い体に目がいってしまいます。
インドは、細い体型よりお腹が出てふくよかの方が「良い体」と思われていると聞いたことがあります。(食べ物に困らない裕福さの象徴ということで)
最近は、健康に対する知識の見直しのおかげで考えが変わってきているのかもしれませんが、それでもやっぱりインドでは太い人、特にお腹がだけが際立って太い人をよくみます。
まぁ、「そんなことあんたに関係ない」と言われそうですが。。。
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演者の男性が、突然仰向けに。ここでメイクアップアーティストの出番です。
白いボンドのようなものを顎に塗っていき、カタカリの特徴的な仮面をつけていきます。
ちなみに、演者であるこの彼の白眼部分は、劇中真っ赤に。
これもメイクの一つで、スパイスを目に入れて赤くしているんだそうです。
自然のものとはいえ、大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配。
いよいよショーの始まり。
彼らの目の動き、眉毛の動き、体の細かいパーツの動きは言葉を失うほど巧みで、本当に開いた口が塞がりませんでした。
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500以上のジェスチャーがあるようで、覚えるだけでも大変なのに、それを体全部を使って表すなんて、気が遠くなります。当たり前ですが、さすがプロ。
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物語はざっくり言うと、王子であるビーマ(↓写真左)が、悪者キチャカ(↑写真左)から、妻マリニ(↑写真右)を助けるというシンプルなお話。
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さっきのメイクアップアーティストおじさんは、なんと黒子でもありました(笑)。
黒子なのに隠れもせずステージの上にいるあたり、日本の歌舞伎とは全く違います。国民性が現れちゃってるんでしょうか。
ショーの最後には、なんと一緒に記念撮影をすることも可能。
私たちも一緒に撮ってもらいました。
冒頭で、カタカリは歌舞伎との類似点もあると言いましたが、全く違うのがその料金。
歌舞伎は座席で値段が大きく変わるようですが、一番高い席で17,000円、お手頃な席で3,500円。
一方、カタカリは500ルピー。日本円で800円もしないくらい。
もちろん、歌舞伎と比べるとその完成度や規模など多くの点で劣るかもしれませんが、カタカリのエンターテイメント性はとても素晴らしく、メイクアップの時間も併せて約2時間はあっという間でした。
日本に帰って、一度歌舞伎も観賞してみたいなぁとふと思いました。