英語を教えていると、色々な質問を受けます。その中からいくつかピックアップしてQ&A形式でシェアしてみたいと思います。レベル的には中学で学ぶものですが、いろいろな気づきがあれば嬉しいです。
Q.「〜している」は “be 〜ing” で表すと習いました。でも「僕は日本に住んでいる。」は “I’m living in Japan.” ではなく、”I live in Japan.” です。なぜですか。
A. まず、日本語を直訳ばかりしていると、壁にぶつかってしまいます。その典型的な例の一つ。
現在進行形”be 〜ing”は、「一時的な動作」を表す時に使います。その動作のし始めとし終わりが明確なもの。「食べる」「観る」「眠る」、、、、など。こういうものを「動作動詞」と呼びます。
一方、動作のし始めとし終わりが明確じゃないものもあります。例えば、「思う」「愛している」「欲しい(動詞っぽく言うと”欲する”)」など。こういう動詞を「状態動詞」と言います。そして「住む」もこの仲間です。その場に定住しているのであれば、それは状態ですね。昨日も住んでいたし、今日も明日も、住んでいる。そういう普段の日常は「現在形」で表します。
もう少し説明を加えると、今月だけ、とか今年だけなど、期間限定でその場に住んでいるのであれば、もちろん現在進行形で”I’m living in Kobe this year for work.”=今年は仕事で神戸に住んでいます。のように言うのが自然です。
Q. 秋には “fall“と”autumn” の2通りの名前があります。なぜですか。
A. 基本的に、fallはアメリカ、autumnはイギリスで使われています。どちらも正解。
Q.英語には、主語、動詞が必要だと習ったけど、Nice to meet you.には主語も動詞もありません。なぜですか。
A. 主語、動詞を書くと”It is nice to meet you.”です。It isは、意味を含まないので、他の文でも結構省略されているのです。
なかなか鋭い所に目を向けた質問です。このままフレーズとして、「初めまして。」=”Nice to meet you.”と覚えてしまうのが大半のところ、主語、動詞がないなんてあまり考えないかも知れません。
ちなみに動詞を、Nice to see you.にすると、2回目以降会う時に使えて「またお会いできて嬉しいです。」というニュアンスになります。
meet : 初めて会う
see : 2回目以降に会う
Q. 母音の前にはaではなくanが付くと習いました。 でも、”an university” ではなく “a university” です。なぜですか。
A. 確かに書くと母音の”u”から始まっていますが、ここで大事なのは発音です! universityの発音は、「ユニヴァーシティ」ですね。ユと始まっているところからわかるように、これは母音の音ではないのです。この場合、ネイティブスピーカーはanにしなくても読める、という理由でa universityと言うのです。
逆に、hour(時間)は「アワー」と読み、母音の音から始まっているので”an hour”「アナワー」と読みます。
Q.“go to school” と “go to a school” の違いは何ですか。
A. schoolにaがない時は、schoolを「学びの場」のように概念的に捉え、学生が通学する時に使います。
一方、aを付けるとschoolを「数えられる建物」として考えるので、単に「とある一つの学校に行く」という意味になるのです。例えば、教育を終えた大人なんかが建物としての学校に行くという時に使います。
Q. “everyone”はみんなという意味だけど、何で動詞にsが付くのですか。
A. つまり、everyone を三人称単数扱いにするのはなぜかという話ですが、みんなを一括りとして考えているので単数になるのです。同じく、everybody も三人称単数扱いです。(everyoneより少しくだけた単語)
Everyone looks happy here.
→ここでは、みんなが幸せそうだ。
Q. “talk with 人” と “talk to 人”の違いはありますか。
A. talk with 人は、一緒におしゃべりする感じ。
talk to人は、主語が一方的に、(もしくは主に)話すニュアンス。
I talked with my boss about the new business plan.
→例の新しいビジネスプランに関して上司と話しました。
I have to talk to my boss about the new business plan.
→例の新しいビジネスプランに関して上司に話さないといけません。
Q. 日本語には、兄、弟、姉、妹という単語を使って年下か年上をはっきり表しますが、英語は “I have a brother.” “I don’t have any sisters.” のように、年上か年下か分かりません。そんな言葉はないのですか。
A.文化背景、宗教背景を理解する必要があります。
キリスト教では、神のもとに生まれた人々は皆平等という考えがあります。そのため、何歳年上だろうが年下だろうが平等なのです。妹や弟は、兄、姉のことを「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」とは呼びません。名前やニックネームで呼ぶのです。
自分の兄弟を誰かに紹介する時は「brother」「sister」で十分なのです。もう少し兄弟の話を掘り下げる時に、必要に応じて年上か年下を言うくらいです。
He is 3 years older than me.「彼は僕の3歳年上なんだけどね。」といった具合。
また、性別を表さず表現できるのは「sibling」という単語です。I have 2 siblings.「私には2人兄弟/姉妹がいます。(この段階では性別、年上かどうかも不明。)
1歳でも年上か下かを気にする文化である日本とは、異なりますね。
Q. “I know Donald Trump.” というと外国人の先生に驚かれました。なぜですか。
A. knowの後ろに人がくると、「~と知り合いである」という意味になります。そのため、”I know Donald Trump.” と言うと、トランプ大統領と知り合いになっちゃいます。本当に知り合いならもちろん言えますよ!
ただDonald Trumpに関すること(アメリカの大統領だとか、年収たったの一ドルで大統領の仕事をしているとか)を知っているのであれば、know about ~としましょう。
about:~について
Q. 電車に乗るは “get on the train” なのに、車に乗るは “get in the car” と習いました。 get on + 乗り物と、get in + 乗り物の違いは何ですか。
A. 両方とも~に乗るという日本語になります。しかし get on は電車やバスなど、体をかがめず乗る時に使い、get in は、車やタクシーなど、体をかがめて乗るような時に使います。
Q.「〜しなければならない」という義務は”must”を使って、「しなければならない」という必要性は”have to”を使うと教科書に書いています。どう違いますか。
A. “must”は、助動詞の仲間だけあって「自分の気持ち、意思」を表します。そのため、自らが〜しなければならないと思う時に使います。
I must fight for the world.
→私は世界の為に戦わなければならぬ。[マーベル的な映画で言いそうなセリフ。]
“have to”は、「外的要因から、しないといけない」という時に使います。
I have to do my homework.
→宿題しないといけない。(だって学校の先生が宿題を出したからそれを守らないと。。。)
ただ、mustは基本的に強いニュアンスがあるので、あまり聞きません。それに、mustには過去形はないので、「〜しなければならなかった。」という過去形は”had to”を使います。(未来形も”will have to” )
(大昔は、”must”が過去形として使われていたという話は特に覚えなくていいです)
Q. “May I go to the bathroom?”と、”Can I go to the bathroom?”はどう違いますか。
A. May I 〜?はとってもへりくだって許可を求める時に使います。例えば、生徒が先生に、部下が上司に「〜してもよろしいでしょうか。」というシチュエーション。
Can I 〜?は、もっとカジュアルです。友達や家族に「〜していい?」という程度。
ただ、May I〜?は硬すぎるので実際はあまり聞かないかも知れません。
実は、May I とCan I の間にもう一つ表現があります。それは、Canの過去形、Could です。
May I 〜? → Could I 〜? → Can I 〜?の順で人との距離が近づきます。
Q. “see a movie” と “watch a movie” はどう違いますか。
A. 両方、映画を見るという意味で使えます。seeは、「視界に入ってきたもの見る」という意味になるので、例えば映画館なんかで大きいスクリーンで見るような情景が聞き手に感じられます。一方、watchは、「動いているものをしっかり見る」というニュアンスがあるので、テレビで観るような時に使います。
Q. どうして “When have you +過去分詞〜?” と言えないのですか。
A. 現在完了形 have +過去分詞はそもそも、過去形ではないのです。名前の通り「現在」の事を表すのです。過去に起こった事実が、現在にどう影響を与えているのか。例えば、I’ve been to Greece once..(私は一度ギリシャに行ったことがある。)というのは[経験]です。過去にしたという経験を今持っている、という事を表します。 [他の用法に関してはまたの機会に取り上げたいと思います。]
つまり、具体的にいつしたのかを聞きたいのであれば、単に過去形を使えばいいのです。When did you go to Hawaii?(いつハワイに行ったのですか。)
Q. 現在完了形[継続]で、”I’ve lived in Japan since last year.”(私は去年から日本に住んでいます。)のsinceをfromで言い換え出来ますか?
A. 出来ません。since last yearは、去年から(今もなお)という意味を表すので、現在完了形と相性がいいのです。一方、fromは、「今もなお」という意味は含みません。
Q. “She made me a doll.”と、”She made me a doctor.” の訳はどうなりますか。
A. She made me a doll.は「彼女は私に人形を作りました。」になり、She made me a doctor.は「彼女は私を医者にしました。」になります。というか、そう訳すのが自然です。
文型の話をすると、makeを使った第4文型は、make O1O2「O1にO2を作る」という訳になります。
例:
I made him lunch. 私は彼に昼食を作った。
My mother made me a skirt. お母さんは私にスカートを作ってくれました。
makeは、第5文型を作ることもできます。make OC「OをCにする」この文型はO=Cというのが成り立ちます。さっきの文では、She made me a doctor. [me = a doctor] となります。
このCには、名詞、形容詞が入ります。She made me happy. 彼女は私を幸せにします。 me=happyになります。
She made me a doll.を、第5文型と考えると、「彼女は私を人形にした。」となります。もちろん、分脈によったらそうも考えられますが、ちょっと怖いですね。
Q. 「~をどう思いますか。」の英語はなぜ、”How do you think about ~?”ではなく”What do you think about ~?”なのですか。
A. 直訳するとダメなパターンの仲間ですね。
How というのは、手段や方法を表します。なので、”How do you think about it?” というと、「それについて、どのような方法で考えますか?」というニュアンスになり、「頭でだよ。」という話になるのです。
今回は以上です!またアップしようと思います♪英語学習者の皆さん、引き続き頑張ってください。
疑問を持って、それを自分で解決しながら進むと成長間違いなしですよ!