オフリドには世界最古の一つと言われる湖があり、その貴重さと美しい景観から1979年に自然遺産に登録されました。
その後「いやいや自然だけじゃなくて貴重な価値のあるキリスト教にまつわる建物もあるじゃん!」と言うことで、文化遺産にも登録され、複合遺産となりました。
その為、オフリドは北マケドニアの中でも群を抜いて多くの観光客が訪れる、いわゆる観光地です。
オフリド湖の水深は約155メートル。
この透明具合は、美しすぎて心も浄化されそうです。
面積はおよそ琵琶湖の半分ですが、それでも海と思ってしまうほど雄大です。
聖ヨバン・カネオ教会
一番最初に訪れたのは、オフリドの絶景スポットの一つ。13世紀に建てられた聖ヨバン・カネオ教会。
中心地からは徒歩10分ほど。教会の中は(確か)100ディナールかかりますが、敷地内は無料で入れます。
ここからの景色の、写真左側はアルバニアです。
オフリド湖自体、3分の2が北マケドニア、3分の1はアルバニア領。
ここに行くまでの道のりも素敵なんです。
最初は少し怖かったですが、別に落ちてもいいやと思うと逆に楽しくなりました。
サミュエル要塞
サミュエル要塞は、旧市街の中で一番標高が高く、オフリド湖を見渡すには絶好の場所です。
露で見えにくいですが、大人80ディナール(約175円)[2022/4/6時点]
サミュエル要塞は10世紀から11世紀にかけて当時オフリドが支配されていたブルガリア王国のサミュエル王によって建てられました。
だからサミュエル要塞。分かりやすいネーミング。
ブルガリア王国時代の首都は、ここオフリドでした。
城壁の中はもはやただの空き地のようです。
でも、この階段を登ったところから見る景色は素敵でした。
オレンジの屋根がバルカン半島を表しています。
スヴェータ・ソフィア大聖堂
スヴェータ・ソフィア大聖堂は11世紀に建てられた聖堂。
この大聖堂にはキリスト教に関する大切な出来事が描かれたフレスコ画が残っていて、バルカン半島で見られるビザンツ美術の中でも特に傑作と言われています。
これは天井画のキリストの昇天。
ここもオスマン帝国の支配下時代に入ると、立派なフレスコ画はモルタルで塗りつぶされてしまいました。
復元の甲斐あって、今では当時の姿を見ることができていますが、バルカン半島を旅していると度々聞く「オスマン帝国時代に○○された」というフレーズ。
当時のオスマン帝国の強さを知ると同時に、争いに振り回された一般市民たちの心情を勝手に思うと想像が止まりません。
聖クレメント教会
この建物自体は近年建てられたもの。
教会に入って上を見上げるとなんと工事中。
先に言っておいて欲しかったりもしますが、そんなことを言っても後の祭りなのです(笑)。
こちらは本物の中世のフレスコ画。バラバラですが一応残っています。
5世紀に作られた洗礼堂。床にはモザイクが残っています。
オフリドの古代劇場
住宅地に突然現れる劇場。建てられたのは紀元前200年。なかなかの古さですが、時代と共に崩れて埋まってしまっていて、発掘が行われた20世紀の時点では14軒の家がこの上に建っていたそうです。
立ち退きの経緯は分かりませんが、もし自分の家が建っている土地に歴史的重要な建物が埋まっているから立ち退いて下さいと言われたら、すんなりはいと言えるのかなぁと疑問に思ってしまいました。
こんなどうでも良いことを考えるのも、旅ならでは。
街自体は、アップダウンはあるものの比較的コンパクトなサイズなので、1日で回ることも可能だと思います。
中心地にはレストランやカフェも多くあるので、ランチやディナーにも困らないはず。
景色の良い場所で食事をすることができます。
私たちは、ペカラ(パン屋さん)で買ったパンを、聖ヨバン・カネオ教会の中のベンチでオフリド湖を見渡しながらいただきました。良い景色を見ながらの食事は、普通のパンが何倍にも美味しくなりました。(ただし、ここはかなりデカめの蜂が結構いて、やや注意が必要です。。。)
現地の人は、首都より明るく気軽に話しかけてくれる人が多い印象です。
気候も北マケドニアの中では比較的穏やかで、年間通して過ごしやすいそうです。
私にとってもバルカン半島の中で、お気に入りの場所の一つになりました。
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