ベラトは、アルバニア中南部の都市。
15世紀半ばのオスマン帝国の支配下時代に作られた街並みが今なお保存されていて、その美しさや歴史的価値から、なんと町全体が世界遺産に登録されている、貴重なところなんです。
私たちはアルバニアの首都ティラナからバスでベラトへ向かいました。乗車時間は1時間45分ほど。約400円で行くことが出来ます。
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「千の窓を持つ町」と言われるように、たくさんの窓がこの町の景観を際立たせています。
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ベラトを流れるオスム川の両サイドに千の窓の景観は広がります。
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オスマン帝国の支配下にあった時に作られた石橋、ゴリツァ橋。
かすかに嵐山を思い出します。
ベラトの夜景も綺麗です。
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陽が落ちて暗くなったベラトは、また違った顔を見せてくれます。
治安は引き続き良く、家族連れや年配夫婦、若者たちなど多くの人が夜の散歩をしたり、カフェで談笑したりして各々の時間を楽しんでいました。
ベラト城
ここもベラトの見どころの一つ。ベラティ城とも呼ばれます。
今見られるのは城跡のみですが、ベラトにはかつてお城がありました。
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ベラト城は、紀元前200年にローマ人によって焼き払われた歴史がありますが、その後5世紀以降、壁を強化されたり再建され続け、最盛期の13世紀には20の教会と1つのモスクが当時の人々の心の癒しとなっていました。
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ちなみにアルバニア通貨、10レクのコインにもベラト城は描かれています。
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赤色のレンガで壁に描かれたモノグラム。
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ズームにするとこんな感じ。
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2つ以上の文字やその他の記号を組み合わせたりして、1つの記号を作った文様を表すモノグラム。
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お城と言うだけあって、大砲がほぼ当時のまま残っています。
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また、日本のお城にあるような狭間もあります。
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矢や銃を発射するための狭間を、アロースリットやループホールと呼ぶそうです。
日本から遠く離れたところでも、同じようなことを考え同じようなものを作っているのが面白くて不思議です。
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ベラト市内を流れるオスム川の奥にMal Shpiragと言う独特な形をした山が広がります。
この辺りで三脚棒を立てて写真を撮っていると「撮ってあげよう」と言って(アルバニア語なので推測)、写真を撮ってくれました。おじさんと女性二人の三人で休憩をしていたようで、私たちに話しかけてきます。
「ユー、フィリピノ?」
私たち、フィリピン人に間違えられるのはこれで2回目なんです(笑)。なんでだろ。
日本人だよと伝えると、おじさんの息子がテコンドーをしていると言って写真を見せてくれました。なんとベラトにテコンドーの教室があるようです。
一応、「テコンドーは韓国だよ」と伝えておきました(笑)。
最後に、さようならと言う意味のアルバニア語、”ミルパフシム”と言うと、一緒にいた女性がとっても喜んでくれて、このお花をくれました。
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アルバニア語を使うと、とても喜んでくれる人がこちらには結構います。
首都のティラナではこんな経験はしませんでしたが、ベラトの人はフレンドリーで積極的に話しかけてくれたりにっこり微笑んでくれたりします。
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こちらは14世紀に建てられた、ベラトで一番古いとされているモスク。
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南側の展望台で「千窓の町」を見渡せます。
どこを見てもつい写真に収めたくなるような景色ばっかり。天気も良かったので休憩しながら回ると、だいたい1時間半ほどかかりました。
そういえば、ここの入場料は100レク(≒107円)なんですが、たまたまなのか私たちが門をくぐる時にはカウンターに誰もいなかったのでみんな支払うことなくそのまま入っていきました。
そういうこともあるんでしょう(笑)。
通常は100レクです。
天気も良く気持ち良い散策でした。
世界遺産にも登録されているだけあって、ベラトではもちろん綺麗な景観を堪能出来るんですが、それ以上にこの街の雰囲気がとても素敵なんです。のんびりとした落ち着ける感じ。誰も急いでいない。フレンドリーな人たち。
首都ティラナからバスで2時間もしないうちに、こんなにのんびりとした落ち着ける街に辿り着けるなんて。。。
ベラトでは平和しか感じない、そんな町でした。おすすめです。
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