時刻は午前6時20分。タージマハルを見にホテルを出発。
入り口までは歩いて2分ほどなので助かります。私たちのように混雑を避けるためか、朝日を見るためか、もう既に人がいます。
チケットを買って、入口へ向かいます。
この一見、見過ごしそうなところでスニーカーのカバーをもらえたりお水をもらえたりします。
知らなければ素通りレベル。
世界遺産のタージマハルに入るにはかなり厳しく、敷地内の景観を壊さないため色んなものの持ち込みが禁止されています。
私たちはお金、パスポート、そしてスマホのみの必要最低限のものだけを持って行きました。
ボディチェックやカバンの中の荷物も確認されますが、確認の仕方は結構テキトーな感じもありました。
門まで少し歩き、タージマハルは姿を現しました。
まぁ別に来なくてもいいかなぁと思っていた過去をなかったことにしたいほど、訪れて良かった、、、と思える圧巻のタージマハル。
思っていたよりはるかに大きく、釘付けになりました。
“完璧な左右対称”に造られたことで有名なこのタージマハル。1653年の完成までなんと約20年かかったそうです。
タージマハルはいわゆるイスラム文化をベースにした墓廟で、ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンの妃、ムムターズ・マハルが眠っています。(その横にはシャー・ジャハーンも眠っていますが、それについては後述します)
遠征中に妻を亡くしたシャー・ジャハーンは、悲しみの中、霊廟を造らせることにしたそうです。
彼の立場になって考えたら辛すぎます。
辛い想いを晴らすために出来ることは人それぞれだと思いますが、彼の場合は晴らし具合の規模がデカすぎです。
そんなことを考えながらこの大きいタージマハルを歩きます。
この敷地内はすこぶる平和で空気も良く、駅前とは雲泥の差すぎて笑えます。
この墓廟の中に入るには別途200ルピーが必要。
写真は禁止。
「お静かに」という注意書きはみんなの目には入らないようで、ガイドさんの説明が響き渡ります。
この中には、36歳という若さで亡くなったマハルのお墓があります。彼女のお墓がちょうど中央にあり、皇帝のシャー・ジャハーンのお墓は中心からずれるように向かって左側にあります。
タージマハルは”完璧な左右対称”ですが、二人のお墓だけはちがうんです。
長男を次の皇帝にさせたい父のシャー・ジャハーンは彼を溺愛しますが、それをよく思わなかった三男のアウラングゼーブ(後のムガル帝国の第6代皇帝)は父を幽閉したり長男を殺したりとなかなかの暴挙にでます。
溺愛だけじゃなく宗教の相違も原因にあったそうですが、とにもかくにも父を恨んでいた三男のアウラングゼーブが次の皇帝となり、父が亡くなった時に作った墓はこの”完璧な左右対称”の中で唯一の非対称を生み出したのです。
恨んだり妬んだりという話は、歴史上よく耳にする気がします。
「みんな、もっと大きな心を持てばいいのになぁ」と楽観的に生きる私は思います。
名残惜しい気持ちはありますが、3時間は過ごしたでしょうか。そろそろお腹も空いてきたのでタージマハルを後にすることにします。
出入場にはこのトークンが必要なので、失くさないように最後まで持っておく必要があります。
ホテルのすぐ横にあるチャイ屋さんで朝のチャイ。
インドではチャイは小さいものでだいたい10ルピー、約17円で飲めるのですが、これは15ルピー。およそ24円。
「ちょっと高いなぁ。。。」
「そやなぁ。。。」
「・・・」
「いや、全然高くないから(笑)。」
インドに来て、このくだりを何度してるでしょうか。
感覚のずれが生じています(笑)。
さて、ホテルに帰ってしばしのんびりするとします。