サイトアイコン 夫婦初旅記

ジョージア少年との出会い

お昼にケバブを食べに行こうとホテルを出て歩いていると、荷物を持って歩いているおばさんがいたので挨拶をします。

ホテル周辺

すると笑顔で返してくれ、少ししてから「ジャポン?」と聞かれました。
そうだよと答えると、彼女の表情はとっても嬉しそうになり「私は日本が大好きなの」と言ってくれました。

最初は半分お世辞かなと思っていましたが、息子が日本語を勉強していると言います。

あ、ほんとに日本が好きな人だ!と思い、少し話し込みます。息子は現在13歳で、土日に日本語を学んでいるとのこと。
彼女と翻訳を使いながら英語で話すと、どうやら息子は侍の絵を描くのが趣味らしいのです。

なんだか興味が沸いたので「私たちには時間があるのでよければ会えますよ」と伝えると「じゃあ今日18:00にここで会いましょう!」と突然決まりました。

約束した場所に夕方6時5分前に着くように向かっていると、私たちの少し前をお母さんと13歳の息子らしき男の子が歩いています。

彼らがベンチに座り、前を向くと私たちの存在に気づきました。

ガーマルジョバと私たちが挨拶すると、彼は「こんにちは」と日本語で答えてくれました。
とても綺麗な発音です。

彼の名前はデイビッド。ジョージア語の発音ではダビディというそうです。
シャツのボタンを一番上まで締めて着るような真面目で少しシャイな男の子。でも彼の描いた侍の絵の話になると、とても嬉しそうな表情で色々話してくれました。

お母さんが「あなたたち時間はある?今から家に来てお茶でも飲みにおいで。」とお誘いしてくれたので、お言葉に甘えてお邪魔することにしました。

家は私たちのホテルから1分もかからないほど近く、まさかこんな近くに日本語を勉強している子がいるなんて思いもしませんでした。

初めてのジョージアのお宅訪問です。

門を開けると、バラやツツジのお花や植物を植えた綺麗な庭が両サイドに広がり、少し歩くと真正面に家の玄関があります。

玄関を開けると、待合スペースのような空間があり、そこにキリスト教のお祈りを捧げる棚がありました。ジョージア全体かも知れませんが、信仰心は深いようです。

そのスペースの奥に広い部屋があり、その横にダイニングキッチンがありました。
ダイニングには、石坂浩二似のお父さんが座っていました。英語はあまり話さないようですが、ロシア語は話します。

30歳以上の年代は、学校で義務教育にもなっていたロシア語を話します。年齢が上になるほど流暢な気がします。

13歳の子供がいるにしては年齢が上に思いましたが、それもそのはず、ダビディには27歳のお兄さんがいるとのこと。もう一人の兄とお姉さんもいて、4人兄弟みんな首都のトビリシで働いていたり大学に通っているので、今は3人で暮らしているそうです。

お母さんは私たちに、手作りのベイリーズターキッシュコーヒーを出してくれました。

ベイリーズとは日本でも売られているクリームとアイリッシュ・ウィスキーをベースにした甘いお酒。
お酒とは思えないほど軽くて飲みやすかったです。

ターキッシュコーヒーはなかなか濃く、これを飲んだが故に二人ともこの日の夜は朝方まで眠ることができませんでした(笑)。

「日本語のどういうところが楽しい?」と聞いてみると、漢字と答えるダビディ。漢字は30個ほど覚えていて、ダイニングには「幸」や「夢」という漢字を額に入れて飾っていました。習字で書いたのかと思っていたら、細いペンで塗りながら習字っぽく書いたんだそう。

他にも日本の戦国時代や歴史なんかも好きなようで、映画も見るそうです。彼の日本好きは少なからず彼のお母さんの影響があるようで、お母さんは芥川龍之介の作品が好きだったり、日本の伝統芸能の能が好きだったり、部屋に舞子の絵が飾られていたり、、、とにかく日本が好きなお母さん。

どうやらダビディのお兄さんも日本語を学んだことがあるようですが、彼は日本語の文字の多さに早々挫折をしてしまったそうです。確かに世界の色んな言語の中でも日本語はひらがなだけでも51個もあって、それに似たような文字のカタカナ。そして日本人ですら苦手とする人が多い漢字。。。言語の前に立ちはだかる壁が分厚すぎます。

ダビディに「日本語の発音で難しいと感じた音はある?」と聞いてみると「いや、特にないかな」と返ってきました。
ただ一つ挙げるとしたら日本語の「」の発音はジョージア語にはない音で少し難しいと言っていました。例えば「こんにちは」と聞いても「ん」の音はないように思うと答えていました。

私たちがジョージア語を話すのは、天地がひっくり返るくらい難しいですが、彼らが日本語を話すのは簡単なようです。

ジョージア語の単語や挨拶を教えてくれる彼らですが、私たちが発音するたび「いや、違うよ、こうだよ」と笑いながら訂正します。私たちも一生懸命それっぽく頑張って発音しようとしますが、何度言っても彼らから合格はもらえません(笑)。

たまに「そう!その発音だよ!」と言ってもらえますが、それは奇跡の回。2回目はありません。

ちなみに、ダビディの英語はとてもペラペラ。学校で勉強し始めて6年とは思えないほどです。
日本だと今のところ小学5年生から英語の授業が始まっていると思いますが、早く小学1年生くらいのスタートに早まらないかなぁと個人的に願っています。

彼に、わずかばかりの日本のお土産として日本の国旗アップリケと、忍者のシール、そして5円玉を渡しました。
すると、その場にいたお母さんが5円玉を見て興奮した様子。

どうやら、昔5円玉のネックレスを買ったそうですが失くしてしまったんだそう。(どんなネックレス!?(笑))

ということで、ダビディに1つ、お母さんにも1つあげる事にしました。お母さんはとっても喜んで、早速身に付けていたネックレスに5円玉の穴に通します。
クタイシで5円玉のネックレスをしている女性がいたら、それはきっとダビディのお母さんだと思います。(笑)

なんだかんだで9時前くらいまでお邪魔をしてしまいましたが、みんなとっても歓迎ムードでとっても楽しい時間を過ごすことができました。

次の日はここから少し遠いところの宿に移動する日なので、渡し損ねた漢字のシールと、お礼お母さんに和柄のスカーフを渡しに行きました。

ダビディは学校がある日でしたが、お昼13時に始まるとのことだったので、またまたお家に招き入れてくれました。時刻は11時。
そして一緒にお昼ごはんまでいただきました。

ジョージア料理のリビオ。豆料理です。

ちなみにこのツボのような入れ物の名前はコタニ
いきなり日本人の苗字でも言ってるのかと思いましたが、ジョージア語でした(笑)。

あと、牛肉と豚肉を混ぜたソーセージ。少しスパイシーでリビオと合って美味しい。

いつもは余裕を持って12時に家を出るダビディですが、今日は12時半まで家にいて一緒にご飯を食べたりギリギリまでおしゃべりをしました。
手土産に白ワインまで頂いてしまい。。。

彼らの気持ちが嬉しすぎてありがた過ぎて、そしてなんだか日本でもあるようなおもてなしを体験した気分になりました。

いつか彼らに恩返しが出来たらなぁと強く思い、彼らとお別れをしました。

学校に向かうダビディ
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