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トルコ語|動詞の中立形①[肯定文]

〈このページでは中立形の肯定文のみ取り扱います〉

英語にはない文法用語「中立形」。全く想像ができませんが、つまりこれは英語で言うところの「現在形」です。

いっきに馴染みが出ますよね。

英語の「現在形」の使い方が曖昧だなぁと思う方はこちらをお読み下さい↓

英語の「現在形」は「普段から習慣としていること」を表します。現在という言葉に惑わされますが、言うなれば「過去・現在・未来形」。
例えば、私は朝食にヨーグルトを食べますが、それは昨日も食べたし今朝も食べたし、明日もおそらく食べるであろうもの。もちろんたまに抜けることもありますが、習慣としていつも食べているのです。その場合、現在形で”I eat yogurt for breakfast.“と言います。
補足:昔、中学の英語の授業で「〜している」=現在進行形(be Ving)で、「〜する」=現在形(V)と習った記憶があるのですが、このルールを適応して「私は日本に住んでいる=I am living in Japan.」にすると間違いでした。これは典型的な直訳の落とし穴にはまったパターンですね。確かに日本語では「〜に住んでいる」のように言いますが、定住しているのであれば英語だと現在形で表すのが普通です。(昨日も住んでたし今日も住んでるし、明日もおそらく住む)
逆に、期間限定で住んでいるのであれば現在進行形を使うのが自然です。[例:仕事で1年の期間限定で東京に住んでいるような場合。= I am living in Tokyo for a year for work.]

さて、動詞が使えればトルコ語での表現の幅がグッと広がります。語彙力も養っていきましょう♪

代名詞表

まずは、代名詞表の確認です。忘れた方は復習しておきましょう。後回しでも大丈夫です♪

ben私たちbiz
あなたsenあなた達/あなた(丁寧)siz
彼/彼女/それo彼ら/彼女ら/それらonlar

代名詞を主語にした「〜です」のレッスンでもあったように、代名詞表の全てに応じて動詞は原形から変化します。つまり1つの動詞を覚えるのに、原形以外に6つ覚えないといけないということ。これは、ヨーロッパ語圏では当たり前のルール。
日本語なら、主語が誰であっても動詞の「食べる」はずっと「食べる」ですね。「私は食べる」「あなたは食べる」「彼は食べる」「私たちは食べる」、、、と言った具合に。

しかしヨーロッパ言語のルールを日本語に当てはめると「食べる」という動詞は、「私は食べりむ」「あなたは食べるしん」「彼は食べ」「私たちは食べりず」、、、のようになります(適当なように見えますが、実は中立形をオマージュしてます)

動詞が主語に応じて変化するという事は、わざわざ主語を言わなくても動詞の形を見れば誰のことか分かりますね?

そう、主語は基本省略されます!

じゃあ覚えても意味ないじゃん!と思いたくもなりますが、知っておいて困ることはないので併せて覚えておきましょう。

動詞の原形

動詞の原形は-mek,-makのいずれかで終わります。
例:istemek [欲しがる]
anlamak [理解する] 
almak [買う/受け取る]

-mek-makのどちらで終わるかは、ea母音調和のルールに従っています。
語幹の最後の母音が、
eiöüなら-mek
aıouなら-mak
となります。

日本語の動詞がウの段で終わるように、規則があるとわかりやすいですね。

動詞〜中立形〜

さて、お次は人称によって6パターン変化する動詞の現在形に当たる形、つまり中立形をみてみたいと思いますが、動詞を3パターンに分けて考えた方がわかりやすいので順番に見ていきましょう。

①語幹が母音で終わるパターン
語幹r接尾辞
方程式

語幹が母音で終わるパターンは比較的シンプルです。

例:demek[言う]は、de(語幹)r人称接尾辞 となります。

では、人称接尾辞の表を見てみましょう。

ben-im,-ım,-um,-ümbiz-iz, -ız, -uz, -üz
sen-sin, -sın, -sun, -sünsiz-siniz, -sınız, -sunuz, -sünüz
o ×onlar-ler, -lar 
人称別接尾辞の表

主語が「私」の場合、-im,-ım,-um,-ümの4種類あります。
Q.「私は言う」と言いたい場合、-im,-ım,-um,-ümのどれを使えばいいのでしょう。

◉ここで必要な知識として「4つの母音グループ”four-way vowel harmony“」があります。
下記の通り母音を4つに色分けします。

前舌eiöü
後舌aıou

語幹の最後の母音別で接尾辞は変わります。(一人称単数のみ表示↓)
eまたはiなら-im
aまたはıなら-ım
öまたはüなら-üm
oまたはuなら-um

demekの場合、語幹のdeの母音はeです。
eまたはiの場合は、接尾辞はimになります。(eまたはiなら-im)

よって、demek[言う]は、derim=derim
→Ben derim.:私は言います。

benderimbizderiz
sendersinsizdersiniz
o deronlarder(ler
人称別接尾辞の表

補足:3人称単数のo接尾辞がないので「語幹+r」で終わります。
3人称複数のonlarの接尾辞はlar/lerのどちらかで、「ea母音調和」に従います。ただし省略可能なので、3人称単数のように「語幹+r」で終わってOK。

不規則動詞:トルコ語は英語のように不規則なものはないって聞いていたのに(泣)、やはりどの言語にも不規則はつきものですね。でも、その数は英語とは比べものにならないのでご安心を。
以下の動詞は、「語幹が母音で終わるパターン」ですが、語幹r接尾辞の方程式に従いません。

almak:取る, bilmek:知る, gelmek:来る,
görmek:見る, olmak:なる,varmak:着く,などなど

後述する「③語幹が2音節以上且つ子音で終わるパターン」になります。そちらでご確認下さい。

②語幹が1音節且つ子音で終わるパターン
語幹ar/er接尾辞
方程式

例:açmak[開ける]は、aç(語幹)ar人称接尾辞 となります。

ar/erのどちらを使うかは、語幹の母音を見て「ea母音調和」に従います。
復習:
eiöüなら-er-
aıouなら-ar-

açmakの場合は、-ar-を付けます。

では、主語に応じた人称接尾辞を下の表で見てみましょう。

ben-im,-ım,-um,-ümbiz-iz, -ız, -uz, -üz
sen-sin, -sın, -sun, -sünsiz-siniz, -sınız, -sunuz, -sünüz
o ×onlar-ler, -lar 
人称別接尾辞の表

(ただしここでは、arerに従って人称接尾辞は決まるので、自ずとimımのみになります)
arım
= açarım
→Ben açarım.:私は開けます。

benaçarımbizaçarız
senaçarsınsizaçarsınız
o açaronlaraçar(lar
人称別接尾辞の表
③語幹が2音節以上且つ子音で終わるパターン
語幹ır/ir/ur/ür接尾辞
方程式

例:kullanmak[使う]は、kullan(語幹)ır人称接尾辞 となります。

ır/ir/ur/ürのどれを使うかは、語幹最後の母音を見ます。
上記でも述べた、「4つの母音グループ”four-way vowel harmony“」に従います。

前舌eiöü
後舌aıou

kullan(語幹)の最後の母音はaなので、ırとなるわけです。
どの人称接尾辞を付けるかも同様に考えます。
(aまたはıなら-ım)

kullanırım= kullanırım
→Ben kullanırım.:私は
使います。

benkullanırımbizkullanırız
senkullanırsınsizkullanırsınız
okullanıronlarkullanır(lar
人称別接尾辞の表

中立形の活用は以上です!お疲れ様でした。
two-way vowel harmony(ea母音調和)やらfour-way vowel harmonyやら考えることが多いですが、何度も音で覚えて、口でも覚えていくと自ずと頭に残っていくはずです。

ボリュームが多くなってしまったので、このページでは「肯定文」しか取り扱っていません。
追って「否定文」「疑問文」もまとめてみたいと思います。

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